ネットワークオーディオに適したスイッチングハブ?!(その1)
いつも楽しみに拝読しているユングさんのサイトPCオーディオ実験室にスイッチングハブに関しての考察記事がアップされていました。
私もこの記事に反応して、何種類か使ってみたハブに関して記事を書いてみようと思った次第です。
私は今までに個人的にも仕事上でも多種多様なハブにお目にかかりました。
しかし、あくまでもコンピューターネットワークの中の機器としてとらえていましたので、昨年、約30年ぶりに趣味としてのオーディオを再開し、現在のPCオーディオ・ネットワークオーディオの隆盛には浦島太郎状態で、まさかオーディオ装置の一部としてハブを選択することになるなど考えもしませんでした。
PCオーディオの中の機器としてではなく、一般的なコンピューターネットワークの中の機器としての必要条件は、
(大部分がユングさんのサイトからの受け売りですが)
- 「VCCI」や「FCC」で「クラスA」の規格を取得している機器⇨オーディオ用途では「クラスB?」
- メタル筐体(ノイズ対策とFANレスならば放熱も考慮して必須、それと頑丈さ)
- 電源が内蔵されている(コンセント周りを考慮して)
- 「日本製電解コンデンサ」を使用(耐久性の観点から)
- 高速ネットワーク「Gigabit Ethernet」に対応(ファイル転送等高速なほど有利)
という項目が考えられるのではないでしょうか。
1.のEMI規格に関しては、家庭用(個人用)というよりも、法人用・業務用の機器を製造しているシスコシステムズ やアライドテレシス から出ているスイッチ(高度な機能を持ったハブのことをスイッチと呼んでいます)では、必ずクラスA又はクラスBの規格を満たしていますので、規格準拠は必須だと思っていましたが、クラスBの方がグレード的に上だとは知りませんでした。
オーディオ用途や一般家庭には「クラスB」が好ましいようです。
2.のメタル筐体かプラスチック筐体かに関しては、迷うことはないでしょう。
業務用は100%メタル筐体です。逆にメタル筐体のものは、電源内蔵タイプがほとんどです。
3.の電源が内蔵されているに関しては、経験上、電磁波ノイズよりも耐久性で問題のある製品に遭遇してきました。
確かにスイッチングハブの「電源アダプタ」は現在、スイッチング電源式のものがほとんどで、トランス式のACアダプターを使っているものなどお目にかかったことはありません。
業務用のスイッチングハブでもハブ内の発熱対策や小型化のためにACアダプター方式を採用しているものがたまにあります。
ハブという機器は、通常電源を入れっぱなしで使用しますので、電源回路が逝ってしまってダメになるケースが多いようです。
たまたまなのかも知れませんが、ACアダプターで電源を供給するタイプの方が電源部の故障で使えなくなるケースが多かったような気がします。
長年動き続けたのですから寿命と諦めるしかないのか、あんな小さなプラスチックケースに収納されたACアダプターだから放熱にも不利なので寿命が短いと考えるべきなのか。
たまたま我がジャンク置き場に眠っていたハブの中に13年くらい前の製品がありましたので、これを使ってみようと取り出してきたのが、メルコのLGH-M5というハブ。
今では、メルコグループの「株式会社バッファロー」と書かれたラベルが貼られています。 懐かしい! |
このLGH-M5は10BASE-T規格のハブで、いわゆるバカハブです。
(スイッチングハブのことをインテリジェント・ハブとかインテリジェント・スイッチと呼ぶのに対して、LGH-M5のようなリピーターハブのことを「バカ・ハブ」と呼んでいました。)
リピーターハブとスイッチングハブの違いは検索すれば簡単にお勉強できると思いますが、たとえば「スイッチングハブとリピータハブの違い」から分かり易い表を引用させていただきますと
リピータハブ スイッチングハブ 全ての端末にそのまま信号を中継する MACアドレスで判断し宛先の端末にのみ信号を中継する
宛先不明の場合は全ての端末に信号を中継する同時に複数の通信はできない 同時に複数の通信ができる 機構が単純なため安価で発熱が少ない 機構が複雑で発熱量が多い コリジョンが発生する コリジョンは発生しない カスケード接続の段数が限られる カスケード接続は理論上無限 異なる速度・通信モードでは通信できない 異なる速度・通信モードでも通信できる
PCオーディオで使う場合、10BASE-T>100BASE-T>1000BASE-Tの順で音がいいということを耳にします。
高速で複雑な処理をしない10BASE-Tの「リピーターハブ」がノイズ的にも有利なような気がします。
しかも、このLGH-M5のACアダプターはトランス式のようですから、ベストチョイス!!!
我が家のジャンク倉庫もお宝の山や~~ と喜んでいたのですが、思わぬ落とし穴が・・・
NASに保存してある楽曲データを演奏していくと、ある曲が音飛びのような状態になりました。
当初は、「何でだろう~~?」と不可解な思いをしていましたが、すぐに原因が判明しました。
LGH-M5の10BASE-Tという規格がボトルネックになってしまったようです。
CDをリッピングした楽曲では大丈夫だったのですが、T-TOC DATA COLLECTION の
1曲目Heal the World(彩花-iroha-『Dear Souls』) 192kHz/24bit の演奏が始まってしばらくすると音飛び状態になりました。
すぐに演奏を停止して、次の曲へ
2曲目はHeal the World(彩花-iroha-『Dear Souls』) 96kHz/24bit ですが、スムーズに演奏します。
ここで、冷静に頭を冷やしてGMPCに表示されている転送レートをみてみると
192kHz/24bit WAVEファイル=9216kbps
96kHz/24bit WAVEファイル=4608kbps
その他の曲では
CDをリッピングした曲 44.1kHz/16bit WAVEファイル=1411kbps
HDtracksからダウンロードした曲 192kHz/24bit FLACファイル=4800~5300kbpsをフラフラ変動
計算上は
192k×24bit×2ch=9216kbps
96k×24bit×2ch=4608kbps
44.1k×16bit×2ch=1411kbps
おお、そうやった!
実際の転送速度は計算通りに行かないとしても、192kHz/24bit WAVEファイルの場合は約9.2Mbpsですので、10BASE-T規格のハブの実力では無理があったということですね。
(そんなの常識じゃ~ん!と突っ込みが入りそうですね)
現状、192kHz/24bit まで対応できるネットワークオーディオ装置を持っている人は、最低でも100BASE-T規格のハブを使うべきだという事です。
(今時、10BAST-Tのハブなど販売されていませんから、心配いらないかも知れませんが・・・・)
せっかく、高音質??なハブを発見したのに使い物にならなくて残念です。
192kHz/24bit WAVEファイルを再生できなかったため、その後の音質評価実験をやる気が起こりませんでした。
あと、私の場合、VoyageMPD in ALIX3D2で192kHz/24bit FLACファイルを再生しているのですが、転送レートが4800~5300kbpsをフラフラと変動していました。
これが、他のPCではどれくらいの変動なのか試してみたいものです。
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2012/01/19 | コメント/トラックバック(1) | トラックバックURL |
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[…] いのでしょうが、通信速度が「10BASE-T」のものだとハイレゾ音源の再生では厳しいという問題が発生します。そうなると、最低でも「100BASE-T」は必要ですから、敢えて古い機器を選択する […]