Voyage MPD Starter Kit(ALIX3D2)の電源について
Voyage MPD Starter Kit の入手については以前書きましたが、その実力(音質)はとても1万円強の物とは思えないと沢山の方がブログ等で語っておられます。
Voyage MPD Starter Kit にはvoyageMPDがプリインストールされてきますので、少々の初期設定で音を聴くことが可能になります。
初期設定のやり方等は、先人のサイトに詳しく書かれていますのでそちらを参考になさって下さい。
(私も参考にさせていただきました。ありがとうございました。)
・ユングさんの PCオーディオ実験室 など・・・
ALIX3D2のための電源についても沢山の方々が日々実験しておられます。
・asoyajiさんのブログ ALIX3D2の実力を検証!
・ユングさんの PCオーディオ実験室
・他にも多数・・・
Voyage MPD Starter Kitの場合、アルミケースも付属してくるため、ほとんどオールインワンなのですが、ALIX3D2用の電源だけは自分で用意しないとなりません。
私の場合、ALIX3D2の電源に関しては、当初ヤマモト・ツール・ワークスさんがオススメのACアダプターあたりを用意しようかとも思っていたのですが、田舎暮らしの私が購入する場合は通販に頼らなくてはならず、600円の商品を購入するのに送料が500円もかかってしまうので、躊躇してしまいました。
何か代用できる物はないかと、我がジャンク置き場を探してみると・・・・
業務用のネットワーク機器メーカーである **イ*テ**ス社のいくつかのポートが故障しているスイッチ(HUBの高級なやつ)がありました。
分解好きの私は、早速分解してみたところ電源基板らしき基板が付いていました。
「Skynet」 で検索しましたが、航空会社やIT関連企業、ターミネーター(映画)に登場した架空のコンピューターシステムがリストアップされて(^_^;)、なかなか目的のサイトへたどり着けません。
「Skynet SNP-N641」で検索をやり直したところ、3番目くらいに
http://pdf.directindustry.com/pdf/skynet-electronic/snp-n6xx-series/34761-78626.html
がすぐに出てきました。
「Skynet SNP-N643」で検索しようと思っていたのに、なぜか「Skynet SNP-N641」と打ち間違えた怪我の功名というやつです。
ちなみに、「Skynet SNP-N643-D」では×、「Skynet SNP-N643」でも×、「Skynet SNP-N64」でも×、、「Skynet SNP-N6」で26番目にヒット。
検索のキーワードも難しいものですね。
まあ、そんなに苦労して検索しなくても、トランスに貼ってあるラベルには12V/0.5A、3.3V/10Aと書いてありました。
このスイッチは、回路のほとんどを3.3Vでまかなっているようで、空冷用の小さいFANが2個付いていて、それを12Vで駆動しているようです。
プリント基板には 「Skynet」の文字が・・・ シュワちゃん登場か? |
|
INPUT:100V~250V |
ALIX3D2の仕様では
7 to 20V DC, about 2.5 to 3.5W at Linux idle, peak about 5W without miniPCI cards and USB devices. Suggest a 18V / 15W supply
となっていますので、12V/0.5Aでもなんとか足りそうです。
ALIX3D2への給電プラグは、Center pin =positive, sleeve = ground, 2.1 mm diameterとなっていますので、手持ちのパーツの中にちょうどのものがありました。
とにかく音を出したかったので、voyageMPDの初期設定は最低限の設定でとりあえず音は出るようになりました。
ううむ、噂通りの音です。
(ここからは、私の個人的な主観に基づいた評価ですから、そのつもりでお読み下さい)
細かな設定をしていないにもかかわらず、素晴らしい音です。
他のPC(Windows機)で再生した音よりもかなりのレベルで「いい音」なのです。
トランス式のACアダプターに取り替えてみるまでは、音の変化に満足していました。
(「いい音」の定義も個人差がありますので、とにかく私にとって「いい音」なのです)
・ユングさんの PCオーディオ実験室 等でも議論されているように
ALIX3D2のようなPCでも、電源によって「音」が変わると言われています。
次にトランス式のACアダプターに取り替えてみるまでは、ALIX3D2のように内部に「DC/DCコンバーター」を持っているボードで、電源を換えると「音」が変わるなんてまさに「PCオーディオの都市伝説や~~」と思っていました。
都市伝説の解明に大金をつぎ込んで新規に電源を調達する余裕もないので、またまた我がジャンク置き場を探してみると・・・・
おお、使えそうなものが見つかりました。
どうも、古いコードレス電話機のACアダプターのようです。(ACアダプターのみ残っていました)
出力:DC10V 450mA ですから、なんとかALIX3D2のみなら動かせそうです。
手に持ってみるとずっしりと重く、間違いなくトランス式のACアダプターだと思われます。
(本当は分解して確かめたいところですが、簡単には分解できませんでした)
DCプラグ部分は極性も大きさも ALIX3D2には合いませんでしたから、交換しました。
トランス式のACアダプターに交換して聴いてみると、驚きの変化が認められました。
音の印象を言葉で表現するのは大の苦手なのですが、敢えて表現してみると
●スイッチング電源の時の印象(トランス式ACアダプターに比較して)
・ドラムのハイハット等の鳴り方が不自然(ヂン・ヂン・ヂン)。→下手な表現で申し訳ありません
・少々金属的な音が混ざっている感じです。
・女性ボーカルの「サシスセソ」がやたらと強調されている。
・弦楽器の高音域の伸び(余韻)が少ない気がする。
・低域が少々弱いようだ。
●トランス式ACアダプターの時の印象
・ドラムのハイハット等の鳴り方が綺麗になった(チン・チン・チン)。
・より自然な音がしている感じです。
・女性ボーカルの「サシスセソ」は自然な響きになっている。
・弦楽器の高音域の伸び(余韻)が増した。
・中低域がふくよかになった。(重心が下がったと言う言い方をされている方もいらっしゃいます)
ここで、調子に乗ってバッテリー動作での試聴(実験)を行ってみました。
ノートPC用の外付けバッテリーとして販売されていた、バリューウェーブのXP18000M / Victorという リチウムポリマー充電池です。
用途が違うかも知れませんが、 ALIX3D2もPCの一種ですし、バッテリー駆動には違いないでしょう。
元来はPCやPDA用のバッテリーですが・・・ 電圧・容量さえ合えば、色々なものに使えそうです。 |
このバッテリーからの16~20V出力で試したかったのですが、標準で付属しているDCプラグ側の中で合うものが無かったため、9~12V出力で試してみました。
●バッテリー時の印象
・正直に告白しますと、現在の私の耳ではトランス式ACアダプターとの違いははっきりしませんでした。
・プラシーボ効果なのでしょうが、多少なめらかな音質になったような気がしました。
以下に、どこかのグルメ評価のような表にまとめてみました。
電源種類 | 音質評価 |
スイッチング電源「Skynet SNP-N643-D」 | ★ |
トランス式ACアダプター | ★★★★ |
バッテリー | ★★★★★ |
スイッチング電源とトランス式ACアダプターとの違いは、私の耳でもその違いがすぐに分かりました。
トランス式ACアダプターとバッテリーの違いは微妙です。
XP18000M / Victorの中身はひょっとすると純粋なバッテリーだけでなく、残量表示や充電時に必要な回路等が内蔵されているでしょうから、純粋なバッテリーではないと言われるかも知れません。
いずれにせよ、「PCの電源で音は変わる」という不思議な現象に身をもって遭遇したことだけは確かです。
決して都市伝説ではありませんでした。
※注意 **イ*テ**ス社やSkynet社の名誉のためにお断りしておきますが、「Skynet SNP-N643-D」が悪い電源だと言っている訳ではありません。
イーサーネットスイッチの電源としては、耐久性も有り、動作的にも問題の無い電源部であることは間違いありません。
私が、設計者の意図とは全く違う用途で使用したのですから、製品の優劣を論じているのでもありません。
実験は自己責任で!
評価は自己満足かも知れません。
追記(2011/10/26)
トランス式ACアダプターを発売しているメーカーさんがありました。
Voyage MPD Starter Kit(ALIX3D2)用ACアダプターについて
に記述しました。
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2011/09/10 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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